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軍事技術としてのフラグメントシステムと政体としてのフラグメント制度

フラグメントシステムとは、21世紀半ばに開発が始まった全地球捕捉プラットホームである。

その起源は米軍のパペットシステムを基幹とした次世代軍事構想であり、ありとあらゆる地域に進出し潜伏しうるKRVを用いて世界中の情報をシギントしようとするものであった。これは単なる情報収集網に留まらず、世界中のKRVがリアルタイムで相互に連携し補完し合うことで軍全体の行動指針を戦略レベルで常に最適化し続けるという、軍隊のありようそのものの革新を目指して開発が進められた。

パペットシステムの通信技術は長らく世界各国で敷かれていたインターネット統制が月面居住区開発計画の開始を契機として緩和されはじめたことをきっかけとして民間へ開放され、やがてサイバネ技術が一般社会へ浸透し始めた事に伴って急速に普及していった。フラグメントシステムの恩恵を最大限享受するためには電脳化が必須とされ、やがて22世紀前半には軍事に関わらない一般人も社会生活を送る上でサイバネ化を余儀なくされる時代となった。

そういった急速な社会情勢の変動は、実際のところ経済や文化の自然な積み重ねに基づいたものではなく、政治的理由による人為的な社会改造であった。

世界規模の電子情報インフラを一元管理する試みは21世紀初頭のインターネット全盛期時代に行われてはいたが、ハードウェア的限界により達成する事は叶わなかった。そのため社会の管理者たちは一度インターネットを解体し、フラグメントシステムによって規格を統一する事でそれを成そうとしたのである。果たして世界中の情報を手にした管理者たちは、市民に各々の所属する社会階級に応じてネットワーク参照クリアランスを設定し、厳密で揺るぎない階級制度を敷いた。

以上が23世紀におけるフラグメント制度の成り立ちである。特に第三次世界大戦以降の先進国では全ての市民は遺伝子操作により先天的に電脳化されており、思考や行動がリアルタイムで監視、制御されている。

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